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私が主な活動の場としている中国新疆ウイグル自治区は、古代シルクロードの要衝にあります。
遥か遠い昔、国際交易ルートの中心がシルクロードだった頃、この地方は栄華を極め、東西の文化や物産が行き交う最先端の国際都市が点在しました。
しかし、輸送の中心が海上ルートにシフトした後、歴史の表舞台から姿を消し、永らく世の中から忘れ去られ、辺境の地と成り果ててしまいました。
そして時は流れて20世紀後半、世界の多くの地域が、市場経済へ新たに参加を始め、遅れ馳せながら、中央アジア地域も、この潮流に乗り始めました。
それと共にシルクロードも、活きた動脈として、現代に蘇ろうとしています。
ここに居ると、その鼓動を、あちこちで感じます。
日本では殆ど報道されませんが、中央アジアは、21世紀に間違いなく世界の注目を集める場所です。
豊富な地下資源を目当てに、米・露・中などの大国が、資源戦略の綱引きを繰り広げている舞台であり、20世紀末に市場経済に参加を始めた中央アジア諸国が成長段階に入って発展が期待できる地域でもあります。
そして新疆にとっては、良くも悪くも2009年の“7.5事件"が一つの契機となりました。
これまでも中央政府は、「西部大開発」などとスローガンを掲げた政策を行ってきましたが、掛け声ばかりの感がありました。しかし、“7.5事件"以降、中央政府は本気でこの地域の発展を最優先課題の一つとし、国を挙げて実際に注力を始めたのです。
これまでの10年の変化も大きなものでしたが、これからの10年は、これまでとは比べものにならない超加速度的な発展を見せるだろうと思われます。
政府は発展の方向性を“跨越式発展"と打ち出しています。
中国国内の一地域としての発展ではなく、中央アジアを一つの経済圏と捉え、その中の中核として発展させようと考えているのです。
世界の工場・中国の西の玄関口、そして中央アジアでの橋頭堡として、地域の金融・経済・交通の中心にすべく、これから様々な施策が行われます。
様々な問題を抱えながらも発展を続ける中国、その中でも、これからの10年間、間違いなく一番の発展を見せるのは新疆ウイグル自治区なのです。
民族問題などもありますが、本当の意味での実の有る経済発展が続けられれば、それらの問題は沈静化すでしょう。
なぜなら、その原因の根底は経済的な問題に起因するからです。
私は1996年より新疆を見てきましたが、日本企業にとって、これからの5年間が、最大で最後の参入のチャンスだと見ています。
これからの10年間、世界の中でも最もホットな地域になるでしょう。
そして、日本人にとっては、中央アジアの中で一番とっつき易いのが新疆です。
当たり前の事ですが、ここは、既に多くの日本企業が進出している中国の国内です。
目指すは西です。
まだ産業の層が薄い新興地域である新疆では、あらゆる方面の技術やノウハウが求められています。
大企業だけでなく、日本の中小企業が、優れた技術やノウハウを活かし、独自の方向性で勝負し、中央アジア1企業へと発展できる舞台です。
このフロンティアで、一社でも多くの情熱ある企業が成功を勝ち取れるよう、地元から尊敬されるような日系企業が増えるように、持てる知識とこれまでの経験や情報・ネットワークをフルに活かし、全力でサポートすること、それが私の使命だと考えています。
2011年7月1日 柊谷龍哉
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